
「不動産仲介は新たな武器になる」ー公共工事業からの多角化、そして新たな収益源へ
河島塗装株式会社
群馬県
Webサイト: https://www.mebukuhome.com
事業内容: その他
従業員数: 1~10名
専務 河島優樹様

はじめに
長年、塗装工事と防水工事を主力としてきた同社。
公共工事の大きな波に乗る一方で、その依存度の高さに危機感を抱き、新たな事業の柱として不動産仲介業への参入を決意しました。
「工務店が始める不動産」というコンセプトに共鳴し、物件王に加盟し、これまで眠っていた宅建士の資格を活かし、新たな屋号「めぶくホーム」と共に、第二の創業期を迎えた河島専務に、その挑戦と未来への展望を伺いました。
御社のメイン事業についてお聞かせください。
「河島塗装」という名前の通り、塗装工事と防水工事がメインです。
以前は公共工事の割合が非常に高く、工事の規模によっては、年間の売上が1.5倍、2倍、はたまた2分の1になるような状況もありました。
しかし、公共工事だけに依存するのはリスクが高いと感じ、民間工事も継続的に受注できる体制を作りたいと考えました。
そこで、工務店が始める不動産というコンセプトに魅力を感じ、物件王さんに加盟させていただいたという経緯です。
不動産事業を始める前は、何名体制で営業をされていましたか?
事務が1名、社長と私、現場監督が2名、そして職人が3名です。
現在は、物件王専属の不動産担当のスタッフを1名採用しました。
まだ営業は私一人で対応が遅れてしまうこともあるので、早急に営業マンを採用したいと考えています。
自社だけでは対応できない場合もあり、外注先に現場の仕事を任せることもあります。
不動産仲介業を始める前に、特に大きな課題と感じていたことはありましたか?
公共工事への依存度を是正したいという思いが一番強かったです。
以前は売上の8割、9割が公共工事だったため、民間工事を増やそうとすると、それなりの数の営業マンを雇う必要があると考えていました。
しかし、公共工事は入札で決まるため、特別な営業マンは必要なく、現場代理人がいれば済む場合が多いです。公共工事は一件あたりの金額も大きく、利益率も良いのですが、どうしても行政の予算・方針などに左右されるリスクはあります。
一方で、民間工事は継続的に受注できる可能性がありますが、営業体制を構築するのに時間とコストがかかるので、長年、民間工事をどう強化していくべきか悩んでいました。
公共工事も民間工事も景気に左右されるのは同じではありますが、どちらか一方だけではなく、両軸で事業を運営したいという思いがありました。

元々宅建士の資格はお持ちだったと伺っていますが、取得された当初はどのように活用しようとお考えでしたか?
実は、宅建の資格は父が30年ほど前に取得し、会社の宅建免許は8回更新しているんです。
父も長年の間、塗装業と不動産業を何らかの形で融合させたかったのですが、塗装業を営む当社がやる特別な不動産業というのを事業に落とし込めずにいましたし、「河島塗装」という名前で不動産事業を行ってきたので、不動産を探しているお客様が直接弊社に来るということはほとんどありませんでした。
今回、「めぶくホーム」という屋号で新しい名前にリブランディングして、不動産専門のホームページも立ち上げたことで、新たなスタートを切れたと感じています。
不動産仲介業が当初の課題解決に繋がると思ったのは、どのような点だったのでしょうか?
相見積もりなしで、比較的短い期間でローンまで進めやすく、成約に繋がりやすいのでは?と考えた点が大きいです。
他にも、リフォーム、塗装だけでなく、中古住宅全般と親和性が高いと感じていて、自社で扱っている太陽光発電システムも、中古住宅とセットで提案しやすくなると考えています。
残念ながら、弊社では今のところ新築の建築までは手がけていませんが、もし建築もできるようになれば、さらに大きな売上に繋がる可能性はあります。
現状では太陽光発電システムのリフォームが受注できれば、不動産仲介と既存事業との相乗効果を期待できると思っています。
物件王に加盟するという決断は、どのような思いで決められましたか?
実は、物件王さんのことは父が見つけてきたんです。
物件王さんとオンラインでミーティングをしていたようで、私が初めて参加したのは3回目くらいのミーティングでした。
その時、当時営業担当だった前島さんから「社長はこのように言っていますが、実際にやるのは専務のあなたですよ」と言われまして。
そこから初めて物件王さんの事務所に伺い、詳しい内容を知ったという経緯です。
私としては、その時から本格的に考え始めたのですが、確かに既存事業との親和性はあると感じました。弊社が持っている宅建の資格も、ここで初めて活かされるのではないかと思いました。
30年間眠ってきた資格が、ようやく日の目を見る時が来たのかなと。
加盟を決断された瞬間、怖さなどはありましたか?
ありましたね。
事業領域が増え、広くなるわけですから。
勉強しなければならない範囲も広がりますし、確実に取り扱う業務量も増えるので、お金も時間も労力もかかります。
覚悟はしていました。
三つの事業領域がクロスオーバーして新たな顧客層や、これまで取り込めなかった層に繋げていければ良いなと思っています。
他の不動産フランチャイズなども比較検討されましたか?
はい、他の不動産フランチャイズ、大手ハウスメーカーの系列なども検討しました。
以前、太陽光発電システムの販売も手がけていたことがあり、それも若干不動産に近い要素があったんです。
分譲販売という形で二、三千万円の太陽光発電所が売れた時期もあり、そういった経験から、不動産事業への抵抗感はあまりありませんでした。
ただ、大手ハウスメーカーのフランチャイズは、既存の塗装業との連携が難しいのではないかと感じていて、そんな中で物件王さんと巡り合ったというところです。

物件王に加盟して、何か変化を感じた点はありますか?
まだ大きな成果に繋がっているわけではありませんので、金銭的な面ではもう少し頑張りたいと思っています。
ただ、物件王に加盟したことで以前よりも多くの方から声をかけていただけるようになり、
既存の知り合いなどからも、「不動産始めたんだね。何かあったら相談させてね」といった連絡をいただくようになりました。
不動産仲介はすぐに仕事に繋がらないこともあると思いますが、まずは弊社のことを知ってもらって、何かあった時に思い出してもらえたら嬉しいです。
20年ほど前の学生時代の先輩からも、ホームページを見て登録したからと、向こうから連絡が来たんですよ。
皆さん、意外とホームページの運営元を見ているんだな、と感じましたね。
不動産仲介の立ち上げ当初、大変だったことはありましたか?
新卒でデベロッパーに勤めたため宅建の資格は持っていました。宅建の免許は持っていたものの、ペーパードライバーのような状態で、実際に不動産営業の経験がなかったので、仲介業務については改めて勉強し直しました。
日々、分からないことだらけで、色々な本やインターネットで調べたり、物件王さんに質問したり、サポートサイトを見たり、物件王の勉強会に参加したりと、毎日が勉強でした。
特に、インターネットが発達している現代では、お客様も詳しい知識を持っているので、いい加減なことは言えません。
本当に不動産の分野は広いですから、日々勉強していくのは大変だと感じています。
法律や税制など常に情報が更新されたり、物件ごとに全て条件が違ったり、日々勉強ですね。
オープンから約9ヵ月ですが、不動産の実績をお伺いしてよろしいでしょうか?(2025.4現在)
買い側仲介の実績:2件(土地と中古物件の仲介と、建築建売の仲介の物件)
それぞれの仲介手数料:40万円、100万円
建売の方は、太陽光発電システムと蓄電池、エアコンなどの設備のリフォームもさせていただきました。
地元の不動産業者さんとのお付き合いに悩まれる方も多いのですが、御社はいかがですか?
業者さんによって対応は様々ですね。
物件の確認で電話をしても、「自分で物件を探してこい」と言う業者さんもいれば、「どんどん紹介してくれれば良い」と言う業者さんもいます。
紹介した物件が成約すれば、「紹介料を払うよ」と言ってくれるところもありますが、なかなか流動性が上がらない要因の一つかもしれません。
宅建協会を活用して、地元の宅建協会の地区会にも顔を出し、ネットワーク作りは積極的にしています。
物件王のサポートについて、印象に残っていることはありますか?
初めて契約が決まった時、私が不在中に買付業務が発生しました。
「すぐに買付を出したい」というお客様だったのですが、当時、事務スタッフしか事務所におらず、買付証明書の書き方も教えていなかったので、どうすれば良いか分かりませんでした。
そこで、物件王のスタッフさんとSVの方に電話で指示を仰ぎ、お客様への対応も手伝っていただいたことがありました。
あの時は物件王のサポートがなければ、どうにもならなかったと思います。
買付はスピード勝負ですから、迅速に対応ができて本当に良かったです。
そういった経験もあり、やはり営業マンの採用が急務だと感じています。
今後、物件王に対して期待することがあれば、教えていただけますか?
そうですね、もう少し物件情報の取り込みや自動化が進むと、非常に助かります。
現状、早耳くん(物件情報自動収集システム)で物件情報は集まってきますが、写真や詳細情報の入力などは手作業で行わなければならない部分が多いので。
それが自動的に行われ、確認だけで済むようになれば、本当に素晴らしいと思います。
御社にとって、物件王はどのような存在でしょうか?
不動産事業のツールという側面もありますが、サポーターのような存在だと感じています。
単なるツールとしてだけでなく、皆さんの人的な支援があってこそなので、そう考えるとサポーターやパートナーのような感じに近いという感覚です。
これから不動産仲介に取り組む方へ、何か一言メッセージをお願いします!
弊社も成長過程なのであまり大きなことは言えませんが、既存事業に悩みを抱えている方、ほぼ全ての方だと思いますが、そういった中で物件王さんをはじめとする不動産事業は、新たな武器になるのではないかと思います。
本当はすぐに成果が出ればありがたいのですが、弊社はまだそこまで至っておらず、邁進中です。
でも、その可能性は日々感じていますので、勇気を持って一歩踏み出してみることは、良いチャレンジになるのではないかと思います。
担当者からのコメント
長年の塗装・防水工事事業に加え、不動産仲介業に挑戦された先見性と行動力に感銘を受けました。新たな収益源確立のため、「めぶくホーム」として事業を多角化。まさに物件王が目指す「コア事業をより強化させる不動産」の理想形です。
事業のシナジーを追求される河島専務の挑戦を、全力でサポートさせていただきます!
立ち上げ当初や緊急時のサポートなど、御社のお役に立てたことは、私たちスタッフにとって大変励みになります。今後もシステム改善や、加盟店様に寄り添った人的支援を大切にしてまいります。
「不動産事業は新たな武器になる」という河島専務からの力強いメッセージは、これから不動産仲介に取り組む方々に勇気を与えることと思います!
これからも物件王一同、「めぶくホーム」様のさらなるご発展に貢献できるよう、全力で伴走してまいりますので、よろしくお願いいたします。
カスタマーサクセス 宮下